大学職員の徒然日記 vol.8 ※流産後の我が家にヒヨドリがくれた贈り物

 

⭐️本ブログのデザインは上記【THE THOR】を使用しています。

 

待望の2人目を妊娠

 

2023年4月、自室で副業していたところ妻と2歳の息子が来訪。すると、妻も息子もモジモジ(笑)妻に至ってはカメラまで回しています。

 

「どしたん(笑)?」と聞くと

 

「ほら、パパに渡して」と息子に話しかける妻

 

息子が持っていたのは妊娠検査キットで、色は陽性の位置を示していました。

 

「マジ(嬉)?」

 

「うん、マジ(泣)」

 

何が起こっているのかよくわかっていない息子を前に、夫婦2人で年甲斐もなく大はしゃぎした4月下旬の頃でした。ずっと欲しかった2人目で、むしろ妻よりも筆者の方が欲しがっていただけにこの日は有頂天だったのを今でも覚えています。

 

9週目の妊婦健診でまさかの診断が…

 

2023年5月上旬、心拍が確認とれた後の2週間後検診に行ってきますと妻から聞き、いつも通り

 

「気をつけていってき」

 

と伝えて仕事に向かいました。

 

仕事を始めて10時頃、妻から1本のLINE。この時嫌な予感がしました。筆者は勘が悪いです。だから、この嫌な予感もどうか当たらないでくれと願いました。けど、こんな時だけ当たってしまうんですよね。

 

「ごめん。流産した」

 

と一言だけのメッセージでした。

 

妊娠9週目を迎えるであろう妊婦健診で、赤ちゃんの心拍が確認取れなくなってしまいました。7週目くらいでは確認が取れていた心拍…。その日もお互い経過を見てエコー写真楽しみだな〜くらい、ワクワクしていた記憶しかありません。

 

流産と聞いた瞬間に頭が真っ白になりしばし呆然…デスク前で完全に手が止まってしまいました。

 

2、3分ぼーっとした後に上司に一応報告。じつは筆者の上司には2人のお子さんがいて、よく育児の話をしていました。ので、妊娠がわかった時点で上司だけには報告していたのですが

 

「すぐに帰りな。あとは私がやっておくから」

 

と温かいお言葉を第一声でいただき、出勤して1時間ほどで帰宅することに。

 

帰宅すると目を腫らした妻がリビングで泣いていました。この時ほど無力な自分はいません。かけられる言葉が見つからず、ただ妻が落ち着くまでそばにいました。結局その日は落ち着きませんでしたが。

 

自然排出ではなく流産手術を選択することに

 

流産確認後、再度受診する際に自然排出か流産手術かを判断するよう医師から言われ、夫婦で話し合って流産手術を選択することにしました。

 

医療保険であれば流産手術で保険が下りることと、医師としても早めにしてあげたほうが良いとのお話から総合的に判断して妻が決断しました。何より、自然排出は今の妻に直視できないことだと思ったので、筆者も妻の意思を尊重した形をとりました。

 

手術当日は息子も保育園を休み、筆者も当然仕事を休んで3人で病院へ。

 

朝、玄関を出ると我が家のシンボルツリーであるイロハモミジから

 

バサバサッ!!!!

 

と灰色の鳥が飛び立っていき、何だ何だとモミジを掻き分けて見ると…

 

我が家のシンボルツリーに巣作ってやがりました(笑)

 

 

全然気が付かなかったのですが、イロハモミジの中でいつの間にか巣を作っており、中をこっそり覗いたら卵が1つ!!!

 

妻もとても驚いていて、息子は大はしゃぎ。

 

鳥が人間の家、またはテリトリー内で巣を作るのは珍しく、縁起がいいと言われています。とはいえ…我が家の流産事情とあまりにもタイムリーだったので

 

流産手術受ける日に、何で鳥のお前が卵産んどんねん(笑)

 

って正直思ってしまったのはここだけのお話。

 

手術は1泊2日、翌日帰宅すると卵がなんと…

 

 

手術翌日には退院。妻を迎えに行って帰ってくると…

卵が2つに増えてましたー😂

 

流産手術に悲しむ時間もそれなりにありましたが、妻もすっかり鳥の卵が気になるようで少しでも気が紛れてくれてよかったと思います。

 

さらに翌日…

 

 

卵が3つに!!!

さらに翌日には…

 

 

何個産んでんだ(笑)!!!

 

おいおい、こんな流産したばっかの我が家に見せつけてくるなよと思ってましたが、そんな筆者とは裏腹に

 

妻は何だか嬉しそうでした。

 

親鳥と初対面

 

卵が4つになったところで、いよいよ鳥が卵を温め始めました。この時始めて親鳥と対面したのですが、

「ヒヨドリ」と呼ばれる鳥のようで、灰色の毛並みが綺麗な鳥さんでした。

 

 

この頃、毎朝親鳥の顔を見て出勤するのが筆者と妻の日課に。

 

ストレスになる可能性があったので、遠目から1枚だけ写真を撮らせていただいて後は静かに見守ることにしました。

 

悲劇は突然に…

 

親鳥が卵を温め始めてから4日後、いつものように出勤時に巣の様子を遠目から見ようとしたところ

 

巣が脱落していました。

 

 

ナイロンのテープみたいなものが僅かに引っかかり宙吊り状態に。卵は4つのうち、1つは地面に落ちていました。幸いにも割れてはいませんでしたが近くに親鳥もおらず、当初は猫にでも襲われたのではないかと思いました。ですが、落ちてしまった卵は手付かずでしたので猫の仕業ではないのかなとも思いながら、すぐに妻を呼んで状況を説明しました。

 

耳を澄ませると親鳥の声と思わしき鳴き声が聞こえました。遠くから見ているのが鳴き声ですぐにわかりました。

 

あまり人が触れるべきではないと思いましたが、ひとまず巣を元に戻しナイロンテープで軽く固定してその日は仕事に向かうことに。落ちた卵も拾って巣に戻しました。

 

最後まで戻らなかった親鳥、そして…

 

巣を元の位置に戻してから数日、数週間、最後には1ヶ月が経過しました。最初の数日こそ親鳥の鳴き声が遠くから聞こえてきて、卵が心配であることはその声ですぐにわかりました。

 

筆者としてはいつでも戻ってきて問題ない状態にしたつもりではいましたが、親鳥たちはかなり警戒している様子。巣が脱落した理由はわかりません、猫に襲われたか(近所でよく出没しています)、それとも育児放棄か…。鳥は孵化する見込みのない卵と判断すると温めるのをやめると後で知りました。それであれば何故近くで心苦しい様子で鳴いているのか…。人間の筆者にはわかりませんでした。

 

1週間が過ぎたあたりで、ついに親鳥の鳴き声も聞こえなくなりました。それでももう少し待とうと妻と決め、親鳥を待ちましたが、ついに1ヶ月経過しても親鳥は戻りませんでした。

 

「なんだよ…せっかく寝床提供したのに、お前もか」

 

せめてヒヨドリ達には無事に雛が生まれてきてほしいと願っていました。

 

ヒヨドリの卵はかえらず、筆者たち夫婦の子も流産。誰1人として喜べることはありませんでしたが、それでも…流産した我が家にひとときの癒しと楽しみをくれたのは、間違いなくヒヨドリ達でした。

 

妻と相談し、卵はシンボルツリーの木の下に埋めることに。卵を持つと少し重みを感じます、あ、ここにいるんだなという命の重みを感じました。2歳になる息子と一緒に土を掘り、その中に卵を4つそっと置いて優しく土を被せて供養しました。

 

筆者は何かと鳥と縁があります。小さい頃、母が鳩の雛を見つけて保護したことがあり、育てたことが2度もあります。成長した鳩は友達や恋人まで連れてくることがあり、餌をあげると警戒心もなく食べていたことを覚えています。なので、息子が小さいうちに筆者と同じように鳥に関係する経験ができたことは、何か不思議な縁を感じました。

 

もし、次にまたヒヨドリ達が我が家で巣を作ることがあれば、また静かに見守っていこうと思います。

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