大学職員によく寄せられる質問を現役大学職員がまとめて答えてみた

 

大学職員に転職して、もうじき2年が経とうとしています。本ブログやSNSを通じて”大学職員事情”をお伝えしてきましたが、よくいただく質問についてまとめて回答していきたいと思います。

 

大学職員を目指す方の参考になれば幸いです。

 

⭐️本ブログのデザインは上記【THE THOR】を使用しています。

 

大学職員の仕事ってラク?

 

筆者はIT企業から医療機関へ転職し、その後に大学職員へ転職しています。その経験からお伝えすると、前職、前前職に比べると仕事はラクです。

 

あまり変な職員がいないということと、営業でいうノルマがありません。そういった意味でラクにはなったかなーと思っています。

 

大学職員採用面接の倍率が高いって本当?

 

本当だと思います。筆者の場合、8大学ほど応募して書類選考通過した大学は4大学ほどでした。その4大学の面接では、採用人数1〜2名に対し応募者30人以上いるんじゃないかというくらい、面接の待合室に結構な数のライバルたちがいました。

 

※転職体験談の記事はこちら

 

大学ごとで当然異なりますが、大学職員ってそこまで人数が多くないです。派遣職員や契約職員で人件費を抑えている大学が結構多い印象なので、専任(正)職員は非常に倍率が高いのではないかと感じます。

 

採用基準に年齢制限てある?

 

求人上でオープンにはしていませんが、ぶっちゃけあるかもしれません。うちの大学に限った話になりますが、新しく入職される方の多くは20代から30代後半と比較的若めの方達だったりします。

 

ただ、管理職候補として募集する際には当然40代などの役職経験者がターゲットになりますので、一概に年齢で制限をかけているということばかりではないです。

 

転職回数が多いと不利?

 

これは大学に限らずどの企業でも共通していると思いますが、転職回数が多い方は少ない方に比べると不利です。面接では転職している経緯を必ずヒアリングするので、後ろ向きな発言が多いと一気に不利に働きます。

 

2回〜3回程度であれば前向きな転職として捉えることもできそうですが、それ以上の転職回数となると

「何か問題が起きたのか」

と勘繰ってしまいますので、やはり少ないに越したことはありません。

 

ズバリ面接時のポイントはどこを押さえるべき?

 

多くの大学はホームページに事業計画事業報告を掲載しています。

 

事業計画はいわゆる次年度に向けた大学全体としての取り組み

事業報告はいわゆる当年度の財務諸表などに基づく決算と、取り組んだことに対する報告

 

この2点は把握しておくべきです。なぜなら、事業計画では大学がこれから取り組みたいと思っていることが明記されており、事業報告では課題とすべき内容が明記されているからです。

 

大学が目指していること、課題としていることを網羅し、そこに応募者がどう自身の経験を活かして貢献できるかをPRすることが重要です。なので上記2点は最も押さえるべきポイントになります。

 

大学職員になるならどの転職サイトがおすすめ?

 

転職サイトは片っ端から登録しておいた方が良いと思いますが、おすすめは「エージェント」です。大学職員の求人は割とすぐに取り下げられます。あっという間に応募者が集まるからです。

 

働きながら転職活動をすると、じっくり求人を探すことが難しいこともあると思います。そんな時はエージェントに依頼して、大学職員の求人が出たら連絡してもらうようにお願いしておくととても便利です。

 

筆者は実際に以下の転職サイト、エージェントを利用しました。

 

⭐️マイナビエージェント

 

⭐️リクナビNEXT

 

⭐️doda

 

有利な資格ってある?

 

大学職員は異動が頻繁にあるためこの資格が有利!というものは特にありません。しいて言えば簿記です。経理課だけは簿記の知識がないと業務を理解することが難しい場面(主に年度末決算)がありますので税理士や会計士とやりとりする上では欠かせない知識となります。

 

ので、経理課の欠員時は真っ先に簿記保有者が優先されます。

 

ちなみに、筆者は国家資格キャリアコンサルタントを保有していますが、書類選考や面接では一切評価されませんでした。

 

人間関係はどんな感じ?

 

高い倍率の採用試験をクリアしてきただけあり、職員の多くは常識人ばかりです。コミュニケーションも問題なく、少なくともうちの大学ではハラスメントもありません。

 

しかし、長いことぬるま湯に浸かっていたであろう方々が管理職にいたりするので、新しいことを導入しようとすると大きく反発が起きたり、仕事を積極的にしたがらない傾向があったりします。

 

大学は非営利組織のため、学生さえ確保できれば毎年決まった額の収入(学費)が入ってきます。よって、努力しなくても給料はもらえるという意識が強く、やる気のある職員とやる気のない職員で対立することは若干あったりします。

 

大学職員に将来性はある?

 

良くも悪くも、日本は学歴社会ですので大学という存在は大きいです。そういった意味では教員を支える大学職員の将来性はあると思います。

 

がしかし、18歳人口の減少を受け始めており、毎年充足していた入学者数が定員割れしている…といった大学も見受けられるようになりました。学生に人気のない大学は淘汰され始めているということです。今の日本に沿った学部や学生が行きたいと思える大学づくりをしないと、あっという間に経営が傾き始めます。

 

古き良き伝統を重んじる方も多くいますが、何もしなければどんどん入学者数が減少しますので、学生の目を引く新しいことにチャレンジした大学こそ、将来性が高いと言えるのではないでしょうか。

 

医科大学の大学職員はどんな感じ?

 

勤務したことがないのでわからないことも多いですが、他サイト様の情報から察するに大学職員というよりは病院職員としての配属が非常に強いようです。大学に直接勤務できればかなりラッキーとのことでした。

 

病院職員は本当に大変だと思います、医師や看護師とのやりとり、患者との対応など、大学職員としては程遠いです。筆者は前職が医療機関でしたが、やりがいこそあったものの大変ではありました。純粋に大学職員になりたい方に医科大学はお勧めできないです。

 

給料はどんな感じ?

 

法人化する前は国家公務員で構成されていた大学職員ですので、国家公務員に準拠した給与規定を定めている大学が多いです。国家公務員の給与は一般的に極端に高くはありませんが低くもありません。

 

ボーナスも4.5ヶ月くらいなので大手企業ほどではないものの、そこそこは貰えていると思います。

退職金も勤続30年くらいで約1,500万円くらいです。

 

有給などの休みは取りやすい?

 

これは正直、配属される課によって異なります。各課はそこまで人数が多いわけではなく、かつ契約職員や派遣職員がいたりするので、専任(正)職員が休みづらい課があるのも事実です。

 

繁忙期は取れないことも多いですが、それ以外ではしっかり休んでいる人が多い印象です。特に大学職員の夏休みはかなり長いので、そこでまとめて休む方が多くいらっしゃいます。夏休みはしっかり休む職員が非常に多いので、家族との時間をきちんと確保したい方は大学職員がおすすめです。

 

大学職員の夏休み記事こちら

 

待遇の良い大学の特徴は?

 

転職活動していた時に感じたことですが、理工学部、建築学部、経済学部、情報学部がある私立大学はなんか給料がめちゃくちゃ高い印象でした。

 

経営が危うい大学の特徴は?

 

大学ホームページに掲載されている財務諸表事業報告を見るしかないと思います。収支差額が連続でマイナスだったり、入学者の定員割れが発生している大学は要注意です。

 

評価制度はしっかりしている?

 

あまり機能していないと思います。頑張っても頑張らなくても、評価は変わらない印象です。大学職員のほとんどは年功序列なのではないでしょうか。

 

そういった背景もあり、やる気のない職員が多いような気がします。

 

異動が多いって本当?

 

本当です。専任(正)職員の場合、大学運営全体を知る必要がありますので2〜3年のスパンで異動が発生します。

 

詳しくはこちらの記事をご参照ください。

 

人気の部署はどこ?

 

入試課、学生課、教務課だと思います。教員や学生とコミュニケーションが取れるのは、この3課くらいです。転職される方の多くは、教員や学生のサポートをしたいという方が多いので、上記の課は非常にやりがいがあります。特にオープンキャンパスや入試などは課を超えて大学全体で盛り上げていくので、純粋に楽しいです。

 

おわりに

 

いかがでしたでしょうか。主にTwitter等で寄せられたご質問をまとめてみました。全体を通して、筆者は大学職員に転職して良かったと思っています。収入と家族との時間が増えました。

 

18歳人口の減少により、今後は学生の獲得で他大学との競争が激化することが予想されます。ので、大学職員はもうホワイトな職種ではなくなりつつあり、非常に厳しい状況になることも考えられるため、転職するのであればそういった状況を打破するという気持ちと覚悟が必要だと思います。

 

大学職員を目指す方の参考になれば幸いです。

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