大学職員に転職して1年と半年が経過しました。筆者自身、大学卒業後にIT企業へ就職し、医療機関へ転職、その後大学職員に転職しています。それらの経験を経て、業界毎で異なる環境を直接経験し感じることが多々ありました。
本記事ではそんな大学で勤務する筆者が、大学職員になるべきではない人(不向きな人)の特徴を4点お伝えしたいと思います。
※あくまで筆者のこれまでの業務経験を基に感じた所感となりますので、あらかじめご了承ください。
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新卒(大学卒業見込者)で大学職員になろうとしている人
新卒であれば大学職員になるのは避けた方が良いかもしれません。というのも、大学に入職して気づいたことは
入職時の研修はほぼ皆無に等しい
ということ。
筆者は新卒で都内の某大手IT企業に入社しましたが、やはり大手だけあって入社時の研修はとてもしっかりしていました。挨拶の仕方、名刺の渡し方、メールの送り方・署名の必要性、上司へのエスカレーション(判断を仰ぐ)の仕方など、学生気分の抜けきれていない新社会人に対し、社会人としてのノウハウをしっかり叩き込まれました。この経験はのちに、医療機関、大学へ転職した際にも非常に役に立っています。
対する大学職員ですが…新卒で入職した新社会人に対して用意されている研修などほぼないに等しいです。社会人としてのノウハウではなく、いきなり業務内容の説明から叩き込む感じです。それも1日説明しただけで、あとは配属先ですぐに実業務に入ります。
筆者が転職した大学では、新卒入職した職員が2名います。うち1名は勉強熱心で何事も前向きで積極的に取り組む方ですが、もう1名は社会人としての意識もスキルも中々厳しいのではと感じることが多い方です。
「そういうの教わってなくて」
が口癖なその方。本人の意識にも問題があるとは思いますが、それ以上に大学職員とは
新卒入職時の研修が”他社”と比べて劣るのでは!?
と感じてしまいます。それくらい新卒入植研修の内容が薄いです。(筆者の大学だけでしょうか(笑))
筆者は医療機関での勤務経験もありますが、医療機関も新卒の研修はしっかりしていました。研修施設を借りて1泊2日で外部講師を呼び、みっちり社会人研修を実施しています。それくらい社会人になりたての新卒には、研修が今後の業務レベルを左右するのですが…残念ながら大学職員には新卒に対してそれほど充実した研修はないかもしれません。
加えて、大学職員には業務ノルマはありません。課によってノルマと呼ばれる目標があったとしても、それによって給料が上下することもありません。頑張っても頑張らなくても給料があまり変化しないため競争心が養えない環境で新卒時代を過ごします。これって割ともったいないです。
大学職員になりたいという確固たる意思があれば別ですが、なんとなくラクそうだから、安定してそうだから、という安易な理由で大学職員に新卒でなってしまうと、潰しが効かない人材に成り果ててしまう可能性があります。
筆者としては一度は一般企業や他業界の経験や知識を有した上で、大学職員に転職した方が良いのではないかと個人的には思います。
管理職になったら部下に任せてラクをしたい人
一般的な企業ですと、管理職、中堅、新人であれば管理職は指示命令役となり中堅が中心となって現場を回します。よって、現場のほとんどを中堅職員が回すことになるため、管理職は業務量が減るケースがありますよね。
大学職員の場合、管理職もがっつりプレイヤーとして働いている傾向が強いです。
これは医療機関にも同様のことが言えますが、大学職員の人件費は低くありません。むしろ高い水準となっています。そのため、職員数は課の定員ギリギリを維持している傾向があり、人員に余裕がない課も当然多く、管理職も通常業務に入ることが多いように感じます。
一般企業での管理職はどちらかというとマネージメント中心になると思いますので通常業務を行うことは少ないのではないでしょうか。管理職になったら業務量減るかな?という淡い期待を持つ方は大学職員に向かないと思います。
ゼネラリストよりもスペシャリストになりたい人
大学職員には異動が必ずついて回ります。仕事に慣れてきたところで異動したりするので、これが嫌だという方は結構多いです。よって、大学職員は必然的にゼネラリストの職員で構成される形となります。
ゼネラリストとは
ゼネラリストとは幅広い知識を持った方をいいます。逆に、スペシャリストとはその道に特化した方いいます。大学職員の異動は各部署を経験することで幅広い知識の習得が目的であり、将来的にゼネラリストとして活躍することになります。
スペシャリストとして1つのことに特化して知識を研鑽したい方には、大学職員は不向きかもしれません。
よく、学生支援がしたいといって相談に来られる方がいますがそれだけでは大学職員にはなれませんし、なれたとしても希望の部署に配属されない可能性もあります。いろいろな部署を経験するという覚悟がないと、大学職員は難しいと思います。
大学職員の異動はデメリットも大きいです。例えば経理課なら簿記、学生支援課ならキャリアコンサルタント、人事給与なら社労士、そういった資格を業務の中で取得したとしても異動すればその知識を研鑽することはできません。これが良し悪しです。前述した通り、スペシャリストとして1つのことを極めたいという方は大学職員に向いていないと言えます。
※契約社員、派遣社員の場合はその契約内容によっては専属的に業務に就ける可能性はあります。ですが当然期限付きです。
仕事を人一倍頑張って早く昇進したいと考えている方
大学職員の評価制度はあってないようなものがほとんどです。
どんなに頑張っても評価は急には上がりません。また年上、または勤続年数の長い同僚より給与が低くなってしまう可能性があります
特に年齢はかなり大きいです。普通に仕事ができていれば主任、課長補佐、課長とスライド式に上がっていきます。本学にも問題児と言われている職員がいますがその方は役職者で、当然そのクラスの給与をもらっています。頑張って仕事してもその頑張りが評価されることは稀であり、頑張って仕事しなくてもそれなりの年齢になれば自然と役職が付いてしまうという状態が多いです。
これって一般的には不公平と感じる方が多いと思います。ですが、大学の場合これが割と当たり前に起きています。加えて業務のほとんどは課のチームとして行うことが多く、個人の成績は評価されにくいです。
「また今年もB(普通)評価ね」
というのが毎年の恒例です。
と、デメリットをお伝えしましたがメリットも存在します。それは
あんまり頑張らなくても毎年決まった額は昇給します(笑)
詳しくはこちら → 【2023年】大学職員2年目の定期昇給額を公開します
まとめ
いかがでしたでしょうか。大学職員は隠れた人気職として有名になってきていますが、
・研修制度は他社(一般企業等)に劣る(筆者の所感)。
・管理職になっても業務量は減らない(むしろ増える(笑))。
・3〜4年のスパンで異動するため知識・経験の専門性を突き詰めることが難しい。
・年功序列。
といったデメリットが存在します。大学職員になりたいと思った時に以上のことを踏まえていただくと、理想と現実のギャップが少なく感じると思います。
大学職員に転職を考えている方の参考になれば幸いです。
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