企業や組織に入社して働き始めると、社会保険に必ず加入する必要があります。これらの手続きは人事担当が入社時に行なってくれますが、その社会保険にはいくつか種類があることをご存知でしょうか。
一般企業なら全国健康保険協会 ※通称 協会けんぽ または 社保
自営業なら国民健康保険 ※通称 国保
公務員や私立学校の教職員は共済組合
働き始めると上記社会保険に加入いたします。
その中でも私立の学校に勤務する職員が加入する共済組合、通称:私学共済は、国保や協会けんぽにはない魅力的な手当があり様々な点で恵まれております。今回はそんな私学共済の大きなメリットを6つ厳選してご紹介したいと思います。
⭐️本ブログのデザインは上記【THE THOR】を使用しています。
1.社会保険料が協会けんぽ、国保よりも比較的安い
私学共済の社会保険料は、協会けんぽや国保よりも安いです。
【各保険者における保険料額等の簡易比較】※月給 25万円と想定
協会けんぽ : 25,000円 / 月
国保 : 22,153円 / 月
私学共済 : 20,500円 / 月♪♪
※協会けんぽ(全国健康保険協会) 鳥取支部の評議会資料より
社会保険料は、会社に勤めていれば控除という形で給与天引きされます。つまり社会保険料の負担額は手取りに影響します。社会保険料が安いということはその分手取りが多くなるということを意味していますので、長期で働けばその差額も馬鹿になりません。
あくまで上記の表で例えると、協会けんぽと比較して4,500円 / 月、国保と比較して1,653円 / 月 も安いです。1年、3年、5年と勤務すれば社会保険料だけでかなり手取り年収に差が出ることがわかります。
協会けんぽとの差を年間で計算すると…
1年:差額 54,000円
3年:差額 162,000円
5年:差額 270,000円
という結果に。長期的に考えると馬鹿にできない差額です。
※社会保険料は標準報酬月額から算出されます。あくまで上記は月給25万円で5年分を計算した差額ですので、必ずしもこの差が生まれるとは限りません。
2.結婚すると手当金が支給される
私学共済に加入している大学職員が結婚すると、その職員に
80,000円の結婚手当金が支給♪
会社の福利厚生や市の助成を除き、結婚することで社会保険から支給される手当は私学共済以外に存在しません。80,000円という高額な支給額はとても魅力的ですね。
この結婚手当金、私立大学職員同士の結婚であれば当然2人分の手当が発生します。つまり2人合わせて160,000円が支給されることになるのです。職場結婚すると、ちょっとしたお祝い金になりますね。
新婚旅行に充てるも良し、新居の引越し費用に充てるも良し、貯金に充てるも良し。金額が大きいため使い方も様々です。
3.積立金の金利が高い
私学共済加入者は積立金の制度を利用して貯金が可能です。利率は、
年利0.15%の半年複利
→ 年利0.25%の半年複利へ♪
※2024年4月1日からの適用利率
なんとなんと、2024年の4月より適用利率が0.15から0.25%まで引き上げられました♪
メガバンクやネット銀行の普通預金の利率は0.1%未満がほとんどを占めており、それらと比較しても共済の積立は非常に高い利率となっています。一部のネット銀行や地方銀行で高めの利率を提示している銀行もありますが、その多くは数ヶ月から1年といった短期預入となっており利息のメリットはほとんどありませんが、私学共済の積立は半年複利で高い利率を誇っているため元本の成長が非常に期待できます。
1,000円から積立が可能なため、少額から高い利率で運用することが可能です。毎月の給与から天引きされますので、貯金が苦手な方は積極的に活用したい福利厚生の1つですね。
4.出産費用が支給される(出産手当金)
私学共済加入者、または被扶養者は出産費用が支給されます。
1.産科医療補償制度対象分娩である 500,000円
2.産科医療補償制度対象分娩でない 488,000円
(注釈)
上記は令和5年4月1日以降出産の場合の手当金額となります。
出産費用の手当については協会けんぽも国保も同額が支給されますので、私学共済のみの大きな特典というわけではありませんが、妊娠と出産についても手当金はしっかり用意されています。
5.低い利率で貸付が可能
私学共済加入者は急な資金が必要になった時に共済からお金を借りることが可能です。利率は、
年1.26%(災害貸付は年1.00%)
貸付にはいくつか条件がありますが、代表的なものとして
車の購入や臨時の出費の際に貸付可能な一般貸付
入学や修学の際に貸付可能な教育貸付
結婚の際に貸付可能な結婚貸付
住宅の新築、リフォーム、修理に貸付可能か住宅貸付
災害発生時に貸付可能な災害貸付
があります。
各貸付の種類により上限額(そのほとんどが200万円)が設定されておりますが、利率が年1.26%と低く設定されており審査も非常に通りやすいです。
筆者がお勧めしたいのは一般貸付と教育貸付です。上限こそあれど、銀行などでマイカーローンや教育ローンを組むよりも低い利率でお金を借りることができます。
★住宅ローン契約に限っては要注意
住宅ローンに限った話であれば銀行で融資を受けることをお勧めします。銀行の住宅ローンは審査こそありますが利率は年0.5%以下としているところが多く、昨今は超低金利です。ローン可能額上限も当然ありますが、私学共済貸付の上限額より遥かに高い資金を低金利で融資してもらえます。住宅ローンの場合は銀行からの融資にしたほうがメリットが大きいと考えられます。
私学共済貸付は使用用途によってメリットの非常に大きい貸付制度です。所帯を持つと様々な場面でお金が必要になりますので、無理のない範囲で利用したいお得な制度であると思います。
6.災害時に損害を受けた住居や家財の見舞金がある
通称:災害見舞金・災害見舞金付加金と呼ばれているこちらの制度は、水震・火災その他の非常災害によって、住居又は家財の5分の1以上の損害を受けたときに、お見舞金として支給されます。
災害見舞金
住居又は家財が3分の1以上焼失又は滅失したとき、損害の程度に応じ標準報酬月額の0.5ヶ月から3ヶ月分
災害見舞金付加金
災害見舞金の額の60%に相当する金額
住居又は家財が5分の1以上3分の1未満焼失又は滅失したとき、標準報酬月額の50%
※日本私立学校振興・共済事業団HPより一部抜粋
支給基準が若干曖昧で、支給額も標準報酬月額の半分〜数ヶ月分程ですが、災害時に住居または家財の損害が認められれば支給される貴重な手当となっています。
こちらの手当については、各市町村で災害時の手当を設けている(国保)ところこそありましたが、そもそも設けていない市町村もあり支給基準や支給額についてもまちまちです。よって、この災害見舞金も結婚手当金同様に協会けんぽ、国保(一部の市町村)にはない制度となっています。
近年、日本では台風などの水害が非常に多くなっており、何より地震大国です。災害に伴う手当は非常に貴重だと思います。
まとめ
私立大学職員になった際に加入する私学共済のメリット
1.私学共済の社会保険料は協会けんぽ、国保よりも安い
2.結婚すると80,000円もの高額手当あり
3.積立金の金利が比較的高め
4.出産費用が支給される(出産手当金)
5.低い利率で貸付が可能
6.災害時に損害を受けた住居や家財の見舞金がある
上記6つ厳選してお伝えしました。
他にも傷病・休業・高額療養費制度や、スポーツ施設・宿泊施設・旅行パックの割引などの制度が存在しますが、前者は協会けんぽや国保にも共通した制度であり、後者はあまり大きなメリットとして感じにくいサービスのため割愛しています。
※気になる方は日本私立学校振興・共済事業団共済事業本部のホームページをご確認ください。
個人的には協会けんぽと国保にはない結婚手当金が非常に魅力的だと感じています。また、貸付も低金利で審査も通りやすいため、車の買い替えや子供の教育などで急なお金が必要になった際に利用を検討してみようと思います。
大学職員を目指す方、これから大学職員になる方の参考になれば幸いです。
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