医療従事者に転職は当たり前?実情について

 

 

転職は【悪】だなんて言われていた時代がありました。幸い僕が新卒で仕事を始めた2008年頃は、転職はスキルアップの為に必要不可欠なものと認識されつつありました。が、今も世間では裏切りなどど比喩する企業も中にはあるかもしれませんね。医療機関ではどうでしょうか。

 

前置きが長くなりましたが、医療従事者の転職って実際どうなのか。僕の病院を例にしていくつかお話したいと思います。

 

 

⭐️本ブログのデザインは上記【THE THOR】を使用しています。

 

 

転職・退職者ってどれくらいいるの?

 

うちの病院では毎年100人(正職員)くらい退職しています。これって凄い数字ですよね。退職者が出るたびに、補充の申請が出るので経営者はいつも頭を悩ませていると思います。退職理由は様々ですが、同じ部署から退職者が続くと新しい人を採用しても結局辞めてしまうので僕も悩みます。6月とか、12月とかは特に多い傾向があり、ボーナスを貰ってから転職される方が非常に多いです。

 

母数が多いので、当然と言えば当然ですが看護師の離職が圧倒的に多いです。薬剤師、検査技師、リハ職、医療事務も1年に2、3人は退職しているかなーと思います。薬剤師は今非常に採用が難しい職種※である為に、退職されると本当に切ないです。

※約5割が初任給の高い調剤薬局やドラッグストアに就職している傾向あり(2017年調査)

ほとんど転職・退職者がいない職種が臨床工学技士、放射線技師、助産師、保健師です。臨床工学技士と放射線技師は、あまり求人を見かけません。主に病院が就職先になると思いますが、この2職種は病院の採用枠が非常に少なく、転職が少ししにくいのが特徴です。病院勤務ですと安定していますので、そもそも退職希望者も少ない傾向にあります。

 

助産師は、働きやすくてとてもやりがいがあるという話を現場で聞くことが多く辞める人は本当に少ないです。クリニックではなく病院で助産師が出来ていることに、一つの喜びを感じているようにも思います。出産に立ち会えるその瞬間は、かけがえのない経験なのだと感じました。それが、退職者が少ない理由なのかなーと思います。

 

転職・退職の理由について

 

転職や退職の理由は何があげられるでしょうか。病院は近年、男性も増えてきていますが、まだまだ女性の職場だと思います。最も多い退職理由は結婚や出産をきっかけとしたライフスタイルの変化によるものが多くあげられます。それ以外について以下にランキングを作成しました。※2019年度調べ。

 

第一位:上司に不満

第二位:人間関係

第三位:他医療機関への興味

 

一位と二位は見事に対、人ですね。上司や同僚とうまくいかないという理由がTOPの結果となりました。

医療現場は人の命を預かる場所であり、時として非常に厳しい指導が入ることも少なくありません。何故なら一般企業とは違い、新人であっても「ミスが許されない」という責任重大な業務を行なっているからです。

ひどく叱責されて落ち込む方もいるでしょう。中には精神的にも弱ってしまって退職に至る方も多いと思います。それくらい病院で勤務するということは厳しい環境なのです。

 

三位は他医療機関への興味となりました。人によっては急性期を経験したら、回復期、老健、在宅サポートといった、明確にキャリアビジョンを持っている方もいます。昨今では「意識高い」なんて言われていますよね。特に看護師は前述した老健、在宅といった新しいステージで将来的に勤務することが可能です。それらを経験した人たちって、とっても付加価値が高いのです。

看護部長や師長は、いろんな部署を経験して今の地位にいます。異動が難しい場合は、経験値を積む為に転職を選択する方もいます。今や転職は悪でも、珍しいことでも全くありません。自身のスキルアップに必要不可欠な選択の一つなのです。

 

最後に

 

いかがでしたでしょうか。結論から言うと、医療従事者の退職・転職は「当たり前」となっています。

 

転職ってパワーが必要です。とても面倒ですし、給料が下がるかもしれないというリスクだってあります。ですが、今私の病院で勤務している所属長の多くは、色々な部署を経験した方である方、または他の病院での勤務経験があり経験値が非常に高い方がほとんどです。

 

転職は決してマイナスではありません。転職で迷われている方は、自分にとって新しい経験を積むための一歩と思って、正しい選択かどうか一度自分自身と向き合ってみてください。

 

転職についてはまた別で記事にしたいと思います。

 



 



 



 



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